むかしむかしあるところにとある魔女ッ子がいました。
魔女ッ子は勇者とその仲間(幼馴染とか妖精とか執事とか適当)と共に国を救いました。
魔女ッ子は勇者を愛していましたが、勇者は幼馴染と恋に落ちて旅に出てしまいました。
魔女ッ子はヤンデレになりました。勇者が次に転生して国に訪れたらもう逃がさない……わたしのものよ……と思って結界を作りました。
結界の副作用のおかげで国はとっても豊かになりました。でも、隣の国はそのとばっちりを食って枯れてしまいます。二つの国はとっても仲が悪くなり、常に戦争が起こっていました。
それから千年。
ついに勇者が生まれ変わって魔女ッ子の国に訪れました。魔女ッ子大歓喜。
しかし勇者は全く関係ない女に恋をして、更に魔女ッ子の結界のせいでお外に出れなくなった少年が国一つを巻き込んで大騒動を起こしました。ご先祖様の命令なんて聞いていられるか!とヤンキー大暴走状態でした。
たくさんの人たちが幸せになったり不幸になったりした結果、結界は破られ、魔女ッ子の野望は潰えました。
魔女ッ子は二度と悪いことが出来ないように、力を奪われて捨てられてしまいます。
その力は世界の狭間を漂い、とある国に落っこちてきました。
魂でもない、肉体でもない、でも魔女ッ子が千年間も待ったせいでその知恵も記憶も感情も引き継いでいるあわれな存在は、恋破れたことも、その恋がもう二度とかなわないだろうということも知っています。
死ねばいいのに(自分)……と思っても、魔女ッ子パワーは強過ぎて死ぬことも出来ません。
そこで魔女ッ子(ふたりめ)は、知恵と力を貸す代わりに自分を殺す方法を探し出してくれ、と、一人の魔法使いにお願いしました。
魔法使いは魔女ッ子(ふたりめ)の助けを借りて力を蓄え、ありとあらゆるものを蒐集することにしました。そのなかに魔女ッ子(ふたりめ)を殺す手段があると信じて。
またまた千年。
長い年月のせいで、魔法使いが立てた方針はもはや誰も覚えていません。蒐集の為に広がり過ぎた一族は、その理念を好き勝手に解釈して自分達のやりたい放題です。
そんなある日、一人の少年が魔女ッ子(ふたりめ)に出会いました。
そして恋に落ちるのです。
それから彼は魔女ッ子(ふたりめ)の願いを叶えようと心に決め、沢山の障害に立ち向かおうとします。その願いが、魔女ッ子(ふたりめ)の死、であることを知らないままに。
その障害のひとつに、少年の、姉がおりました。
姉がどうなってしまったかと言うと、言うにおよばず。
めでたくなしめでたくなし。